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時々言及していますが、私は不動産投資もやっておりまして、アパート1棟の大家さんです。

現在、その所有アパートに空室が出ていて、その空室の電気契約について東京電力が途方もない虚弱性を見せてきたので、ここに情報共有いたします。

◆ 一方的に契約を解除し、知らない誰かと新規契約する東電

結論からいいましょう。

東電という会社は「今日から電気使います」という申し込みがあったら、既契約者と連絡が取れなくても、その契約を破棄して新しい契約者と通電契約をするのだそうです。

事の起こりは、東電から留守電が入っていて、「お宅と契約しているこの物件について、別の人から電気使用の申し込みがあったから、確認させてほしい」という趣旨の連絡を受けたことです。

私が管理しているアパートで空室が出ていたので、内見に備えて大家の名義で電気の契約をしていたのですが、その部屋に誰かが「今日から電気使います」と申し込みをしてきたのだそうです。

「1週間後から」とか日数があれば、既契約者への確認もするが、「今日の今日」という急ぎだったらやっちゃいます、とカスタマーセンターが認めていました。

ちなみに私に入っていた留守電には「ご連絡いただけない場合、送電が停止となる可能性もございますので」という内容が入っていました。留守電があったのが12時5分。私が折り返したのが12時13分。8分後に折り返したのに「もう契約は切り替えました」とのたまいました。

かなり信じがたい対応です。良かれと思ってやっているだけに始末が悪い。

そもそも留守電の内容からしても、「ご連絡いただけない場合」はやはり契約を一方的に解消する方針なのだとはっきり分かります。契約者の意思は関係ないのです。東京電力が契約者への意思確認なく電気の契約を解消する運用方針であることは、留守電の内容に照らしても間違いありません。

◆ 犯罪集団に付け込まれる可能性は高い

つまり何かの悪意を持った人間が、「今日から電気使います」って東電に連絡して、本人の知らぬ間に契約を移してから、時期を見て契約を打ち切るということが可能ということです。

これはどこぞの悪人が強盗に入りたいと思っている店舗があったら、「今日から電気使います」と連絡して契約を知らぬ間に切り替えて、「〇日から解約します」とやれば、電気が落ちてセキュリティが切れたタイミングで強盗なり窃盗なりに入れるということです。

もちろん私にも留守電はありましたから、電話にタイミングよく出られたり、直後に折り返せば事なきを得ます。0120番号をシカトするとか、留守電を聞き漏らすケースでは契約が変更されてしまいます。

トクリュウの類が100件も試せば、そのうち10や20は首尾よく契約変更できるでしょう。恐ろしいことです。

それでいて東電は誰が新規契約を申し込んだんだと尋ねても「個人情報だから教えられない」とくるわけです。誰を守っているのかと思います。

とんでもない虚弱性だなと思いました。犯罪集団ならこういう虚弱性は間違いなく利用してきます。

◆ 通電が止まることの恐ろしさ

IT関係の会社で生成AIなど運用していて、大量の電気を食うサーバーを扱っている会社など、電気が急に途切れたらほんの数時間でも大損害でしょう。下手をすれば「瞬断」であっても大事故です。

あるいは町のクリニックなどでも、インフルエンザワクチンなど冷蔵庫保管しているところは珍しくないでしょう。数時間電気が止まったらワクチンの温度管理ができず、やはり大損害です。

生魚など生鮮食料品を扱うお店でも大変なことになります。

さらには個人宅でも命にかかわる医療機器を使っている家庭だってあるでしょう。電気の契約というのは、文字通りライフ(=生命)ラインなのです。

その契約をかくも軽やかに反故にして、新規契約を成立させてしまう東京電力の責任感のなさには唖然茫然です。おまけに言うに事欠いて「個人情報だから教えない」とは、あっぱれな遵法意識もあったものです。

組織的犯罪者集団なら間違いなくこの弱点をつくでしょう。

東京電力と電気の契約を交わしている人は要注意です。もはやこんなのは契約とは呼べません。契約の「契」は「契り=固い約束や誓い」、「約」は「取り決め」です。「連絡付かなければ新規契約者に切り替えます。制限時間は8分未満です。」というのが今回の東電の対応でした。取り決めも誓いもあったもんじゃありません。

私も不動産投資をするにあたり、ちょっと今後は使う電力会社について一考しようと思います。

補足:私の物件の部屋について通電の申し込みをしていたのは、ハウスクリーニング業者だと後から分かりました。いつ作業に入るかについて連絡がなかったので、混乱を招いたというのが顛末です。大した話ではありません。ただ問題はそこではなくて、契約者の合意なく契約を解除して、ろくな本人確認もせず新契約を成立させることの危うさこそが問題なのです。