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遺族厚生年金が大幅カットされる!というニュースが流れて、批判が澎湃と湧き上がっています。

「2336万円もらえるはずが365万円に」政府の年金制度改革法案で「遺族年金」の給付水準が大幅カット

「電話が鳴りっぱなし」年金法案で立民に非難の嵐

他方、この改正の詳しい内容を理解できている人は、おそらく極めて少数だろうと思います。

というのも年金制度は既に相当ややこしいことになっていますし、それがさらにややこしく改正されますから、一般人が中身を把握するのは相当難しいからです。

ここでは改正の詳細ではなく、巷間流布している「大幅カット」という認識について、もう少し正確な理解をしてもらおうという観点でアウトラインの解説をしようと思います。

  • 「大幅カット」か、「大幅拡充」か

まず初めに申し上げるべきことは、今回の遺族厚生年金の改正は、ほとんどの人にとって関係ないということ。

本当に大幅カットの憂き目を見るのは、現在30歳以上37歳以下の女性(かつ18歳未満の子がいない)です。

それも、この先夫が亡くなれば、の話です。

夫が死なない限り遺族厚生年金はもらわないので関係ありません。

そして「大幅カット」と聞くと誰もが損をするかのようですが、実は今回の改正で年収850万円以上の女性についても遺族厚生年金がもらえるように変わりますので、こういう高収入女性にとってはありがたい法改正です。

なおかつ、今までの遺族厚生年金は専業主婦を対象とした、「女性を助けるため」の給付だったのですが、それが今回の改正で男性ももらえるように変わりました。

ですからそういう点では「大幅拡充」とも言えるものです。

  • 5年間ルールの正体

報道では「終身でもらえるものが、5年間に限られる」とされています。

これ自体はその通りです。

上記の説明を踏まえて言うなら、

「今まで0円だった高収入女性も5年間はもらえるようになる」

「今まで0円だった男性も5年間はもらえるようになる」 という改正でもあります。

今までは働き手である夫を失った専業主婦は、収入が途絶えるから暮らしていけなくなるよね、だから遺族厚生年金を終身で出しましょう、そういう制度でした。

改正後は、「遺族厚生年金を5年間出すからその間に生活再建をしてください。これは男女関係ありません。年収も関係ありません。」こういう制度に変わります。

なお改正は2028年で、改正時に40歳以上の女性については今まで通りのルールです。

ですから2025年時点で37歳以上の女性は今回の改正の影響は受けません。

しかも「5年間になる」と言っても、いきなり5年間になるのではなく、20年かけて5年間に近づけていくので、一気に減らされるわけでもありません。

18歳未満の子がいるうちは(=子が18歳になるまでは)5年縛りもありません。

  • 元々時代に合わない制度だった

「損をする」という認識が広がりそうですが、今現在既に遺族厚生年金をもらっている人については、現行制度のままなので、急に「あと5年で打ち切りね」となったりはしません。

元々の制度自体が、専業主婦を前提にしたいささか時代に合わない制度だったので、その是正が図られたということです。

改正後の制度がベストなのかは、判断が難しいところですが、既に専業主婦という存在自体、モデルケースにするには無理がありますから何らかの改正は必要だったとは思います。

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